研究者ブログ

2024年10月01日
本コラムでは、職場のインシビリティーという現象について紹介します。
職場のインシビリティーとは、攻撃意図が曖昧なものの、相互尊重を逸する非礼な職場の対人行為(1)と定義されます。 例示的には、次のような行為が該当します。

- 挨拶を無視する.
- メールで回答を依頼したのに返信しない.
- 話を遮ったり, 意見に耳を傾けない
- 人を見下した発言や、あざける態度.
- 本人が嫌がっているのに笑いのネタにする.
- 業務情報を特定の人に共有しない (連絡飛ばし).

執筆:櫻井 研司氏(日本大学経済学部 教授)
2024年09月01日
昨年5月、こちらのブログで、他者に支援を求める行動を表す「援助要請(help-seeking)」の概念を取り上げました。そこでは援助要請研究の基本的なパースペクティブを紹介しましたが、今回はより実践的な知見を取り上げます。具体的には、リーダーシップの中でも、インクルーシブ・リーダーシップ(inclusive leadership; 以下、ILSと表記)に注目し、上司が部下の援助要請を促すにはどうすればよいか、ILSがなぜ、どのようにして、部下の援助要請を促すのかについて紹介します。
執筆:松下将章氏 (関西学院大学 商学部 助教)
   森永雄太氏(上智大学 経済学部 教授)
   麓 仁美氏(松山大学 経営学部 教授)
    
2024年08月01日
昨今、組織のリーダーは、一人ひとりのメンバーへの関わりや支援が重視されています。しかし、時にメンバーへの支援によってリーダーは疲弊してしまう時があります。それはどのようなときでしょうか。本ブログでは、リーダーがいきいきと職場全体のメンバー支援するための実践的なポイントを概説します。

執筆:池田 浩氏 (九州大学大学院人間環境学研究院 人間科学部門 准教授)
2024年07月01日
令和の時代においても新卒社員の早期退職は問題となっています。
その対策として,キャリア危機を乗り越える力である「キャリアレジリエンス」の向上が有効と考えられます。本稿では,キャリアレジリエンスの概念とその効果,さらに高める方法について概説します。


執筆:西堀まゆ氏 (桜美林大学大学院 国際学術研究科)
種市康太郎氏(桜美林大学 リベラルアーツ学群 教授)
2024年06月01日
喫煙習慣のある労働者にとって、喫煙はストレスに対処するために頻繁に選択される対処手段です。しかしながら、喫煙は依存性が高く、長期的にはストレスを悪化させ、健康に有害な影響を与えることが示唆されています。本稿では、喫煙の離脱症状として生じる渇望に焦点を当て、バーンアウトのメカニズムとの関連について解説します。

執筆:外山浩之氏 (ヘルシンキ大学教育科学部 研究員)
2024年05月01日
公務員は,行政の担い手として様々な形で公共サービスの提供に携わっています。公務員といえば,「安定」というイメージがつきものですが,「公共のために働く」ということが仕事の特徴であり,公務員のやりがいにもつながっています。今回は,公務従事者に特有のモチベーションとして主に海外で研究が発展しているPublic Service Motivation(PSM)についてご紹介します。

執筆:大塚 泰正氏(筑波大学人間系(心理学域) 教授)
   鳴海 泰子氏(筑波大学) 
2024年04月01日
デジタルメンタルヘルスとは、デジタル・テクノロジ ーを活用したメンタルヘルスサービスのことです。今後、こういったデジタル・テクノロジーの活用が職場のメンタルヘルスでも進むと考えられます。今回のブログでは、その言葉の意味や世界と日本の現状を説明し、今後想定される産業保健職に期待される新たな役割について説明します。

執筆:江口 尚氏(産業医科大学 産業生態科学研究所産業精神保健学研究室 教授)
2024年03月01日
私たちは仕事や日常生活の中で様々なストレスに晒されるストレス社会を生きています。慢性的なストレスは、身体及び精神に関する様々な疾患を引き起こします。そのため、余暇活動を通してストレスを解消することが重要です。本記事では、余暇活動を評価するリカバリー経験について紹介するとともに、リカバリー経験の簡易評価手法について我々の研究グループの取り組みについて紹介します。

執筆:水本 旭洋氏(大阪大学大学院情報科学研究科 特任助教)
2024年02月01日
皆さんは、怒りにとらわれて我を忘れてしまったことはありませんでしょうか。
あるいはそのほかの感情に左右されて、適切な行動がとれない経験をされた方も多いのではないかと思います。例えば、感情にとらわれて後で後悔するような選択をしてしまったり、感情に飲み込まれて乗り越えられないようなこともあったかもしれません。ある出来事が起き、それによって感情に影響が及びますが、感情的になりやすい状況では、そのような出来事と心理的な距離を取ること(心理的距離置き)が望ましいといえます。本稿では心理的距離についてみていきたいと思います。

執筆:原 雄二郎氏(株式会社Ds'sメンタルヘルス・ラボ)
2024年01月01日
いまや人工知能 (AI) という単語を聞かない日はなくなるほど流行していますが、メンタルヘルスの領域でも研究例が増えてきました。今年発表された系統的レビューでは、電子カルテや脳画像のデータや、ソーシャルメディアのテキストデータを使用して症状を予測する研究や、対話エージェントを実装したアプリの研究がまとめられています。

執筆:渡辺 和広氏(北里大学 医学部公衆衛生学 講師)
2023年12月01日
デジタル機器およびデジタルサービスの進展により、いつでもどこでも情報が飛び込んでくる時代になりました。しかしながら、我々人類が持っている情報処理能力はそう簡単に進化するものではありません。そのため、いかにして人の関心(アテンション)を惹きつけるかという熾烈な競争が繰り広げられています。生産性とウェルビーイングを高めるためには、こうしたアテンション・エコノミーから身を守る知識を持つことが重要です。

執筆:荒川 豊氏(九州大学 大学院システム情報科学研究院 教授)
2023年11月01日
最近、座りすぎていませんか?COVID-19の感染拡大による外出制限、テレワークの拡大等で私たちの身体活動は減少し、座る時間が増加しました。本コラムでは、座りすぎの心理面への影響を考えてみたいと思います。

執筆:榊原 圭子氏(東洋大学 社会学部社会心理学科 准教授)
   島津 明人氏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)
2023年10月01日
クリエイティビティ(創造性)やイノベーションへの関心が高まっています。前者は新規で有用なアイデアを創出すること、後者は、そのアイデアを製品・サービスに落とし込み、市場で高い成果を上げることです。こうしたプロセスをうまく進めていくためには、どのような社会ネットワークが必要となるのでしょうか。

執筆:稲水 伸行氏(東京大学大学院 経済学研究科 准教授)
2023年09月01日
みなさまは長い職業生活の中で仕事に対してネガティブな感情、例えば「今の仕事にやりがいを感じない」や「仕事に達成感を感じない」といった経験をしたことはありませんか。
一方、「自分の仕事に誇りに感じている」あるいは「仕事に積極的に取り組むことができた」などポジティブな感情も経験していることでしょう。
この両者が存在し、絡み合ってこそ「仕事」と言えるのかもしれませんが、できれば誰しもポジティブな感情を長く保ちながら仕事をしたいと思っていることでしょう。
それでは、その秘訣となる生活上の留意点は何かあるのでしょうか。

本コラムでは、仕事へのポジティブ感情を保ち続けるための生活のあり方として、生活の規則性・リズムに焦点を当ててみました。皆さんはどれくらい「リズミカル」な生活をしているでしょうか。是非、このコラムを参考にご自分の生活のリズムを見直してみてください。

執筆:中田 光紀氏(国際医療福祉大学大学院 医学研究科 教授)
2023年08月01日
近年、栄養と心の健康の関係について多くの研究が行われています。魚、野菜、果物、全粒穀物、良質なタンパク質などが心の健康に良いことが分かっています。また、心の健康を維持するためには、食行動も重要です。規則正しい食事時間を設定し、生体リズムを整えることが心の健康に役立ちます。過剰な「ながら食い」などの食行動を抑制することも心の健康向上につながります。食事内容や食行動のずれや癖に注意することも心の健康につながります。

執筆:田山 淳氏(早稲田大学 人間科学学術院 教授)
2023年07月01日
ますますその存在感を示している人工知能(AI)ですが、私達の職場づくりへの影響については分かっていないことが多く残っています。とかく人間への脅威が取り沙汰されがちですが、AIは、疲れや不満を感じやすい単純且つ標準化された仕事から私達を開放し、より挑戦的でワクワクできる仕事へと導く可能性を持っています。本稿では、最新の調査結果に触れながら、AIがもたらす働き方の変化の一例を紐解いていきたいと思います。

執筆:川﨑 正太氏
   (南洋理工大学 南洋ビジネススクール 博士課程所属)
   大野 正勝氏
   (マンチェスター大学
    アライアンス・マンチェスター・ビジネススクール 講師)
2023年06月01日
本コラムでは,日本人労働者のウェルビーイングの実態と企業格差について考察します。

執筆:櫻井 研司氏(日本大学経済学部 准教授)
2023年05月01日
職場での支援に関する研究の多くは、周囲のメンバーが困っている人を手助けするよう促すことについて考えてきました。一方で、最近になって、支援の受け手が自ら周囲に助けを求めるように促すアプローチが注目されています。本稿では、自ら支援を求める行動を表す「援助要請」の概念を取り上げ、先行研究の知見を紹介します。

執筆:松下 将章氏(関東学院大学 経営学部 講師) 
   森永 雄太氏(武蔵大学 経済学部経営学科 教授)
   麓 仁美氏(松山大学 経営学部経営学科 准教授)
2023年04月01日
支援は望ましい行為ですが、時にそれが「諸刃の剣」となることがあります。有益な支援を受け手であるメンバーに役立てるためには、①支援をいつ行うのか、②支援の内容はどのようなものか、最後に、③支援は受け手であるメンバーが求めたものか、を留意する必要があります。

執筆:池田 浩氏(九州大学大学院人間環境学研究院 人間科学部門 准教授)
2023年03月02日
オンボーディングとは、新入社員や中途社員が企業や組織に適応、定着し、早期に戦力化するために行われる種々の施策を指します。人材確保が困難な時代において新入社員や中途社員の定着に関わる要因、また、その支援のために必要なことについて近年の研究を例に考えてみましょう。

執筆:種市 康太郎氏(桜美林大学 心理・教育学系 教授)
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