事例・研究トピックス

2019年10月01日
ソーシャル・サポート(social support)について、心理学分野ではとても古くから研究が行われてきました。このソーシャル・サポートというのは、組織等の社会的関係の中で交わされる支援のことです。古典的なソーシャル・サポート研究では、ソーシャル・サポートと職場ストレス等との関係が取りあげられてきました。それらの研究では、ソーシャル・サポートがストレスを軽減させることを明らかにしました。最近の研究では、ソーシャル・サポートの量的な多さが、ワーク・エンゲイジメントの高さと関連することが示されています。また、職場でのサポートを強化する方法や、サポートを構築していくスキルについての研究も発展しています。本稿では、企業におけるチームの結束を固めるサポート技術について触れたいと思います。
執筆:田山淳氏(早稲田大学人間科学学術院 准教授)
2019年09月01日
本フォーラムではワーク・エンゲイジメントに関する最新研究動向が数多く紹介されてきました。より健康でいきいきと働く職場を目指すべく、エンゲイジメント向上の為の取り組みを行われている方々も少なくないでしょう。同時に、本当に効果があるのか、気になる点もあるのではないでしょうか?本コラムでは、様々な先行研究を総合的に分析した論文をもとに、エンゲイジメント介入の効果について迫っていきたいと思います。
執筆:大野正勝氏(マンチェスター大学 アライアンス・マンチェスター・ビジネススクール 講師)
2019年08月01日
働き始めて間もない20代の若者、30・40代の中堅労働者、そして50歳以上の高齢労働者のうち、平均的にワーク・エンゲイジメントが高いのはどの層でしょう? 年齢とワーク・エンゲイジメントに着目した研究は多くありませんが、近年、仕事に一番エンゲイジしているのが実は高齢労働者、という報告を散見するようになりました。本コラムでは、こういった年齢とワーク・エンゲイジメントの研究を紹介するとともに、日本の高齢労働者のワーク・エンゲイジメントについて考察します。
執筆:櫻井研司氏(日本大学経済学部 准教授)
2019年07月01日
「人のため」のモチベーションは本人の業績向上だけでなく、「人のため」の行動を職場にもたらし、職場のイキイキに寄与すると考えられます。ただし、行き過ぎた「人のため」には、思わぬ落とし穴があることも指摘されています。私たちが「人のため」をうまく使いこなすためにはどのような点に気を付ける必要があるのでしょうか。

共著:
麓仁美氏(松山大学経営学部 准教授)
森永雄太氏(武蔵大学経済学部 教授)
2019年06月01日
私たちは、仕事から達成感や成長感を得ることができれば、やりがいを感じて次の仕事にも意欲的に取り組めます。しかし、与えられた仕事をミス無く完遂することが当然とされている仕事では、達成感どころか成長感さえもなかなか実感できません。そうした仕事において、やる気を引き出す鍵となるのが顧客や同僚などの他者に対する「社会的貢献感」です。今月のコラムでは、社会的貢献感の有用性と、それを高める実践的なポイントを紹介していきます。
執筆:池田 浩氏(九州大学大学院人間環境学研究院 准教授)
2019年05月07日
ストレス事態に「あきらめる」対処を取ることは、抑うつや緊張を高めると否定的に考えられてきました。しかし、最近では「あきらめ」の健康的側面が注目されています。あきらめるのも悪くない?ストレスに向き合うことと、あきらめることが精神的健康度に関連するメカニズムを探ってみましょう。
執筆: 種市康太郎氏(桜美林大学リベラルアーツ学群 教授・領域長)
2019年04月05日
昨今の急速な国際化と技術革新により、私たちの働き方は大きく変化しています。国内の労働市場は世界へと拡大し、企業間の生存競争は熾烈を極めています。さらに、モバイル通信機器の普及により、労働者は常に仕事に繋がれた状態になっています。これは、作業の効率化に寄与する一方で、仕事のストレスから十分に回復する機会を奪い、疲労蓄積に伴う生活の質の低下や健康障害を助長しています。したがって、仕事以外の時間、すなわち、余暇の過ごし方を工夫し、積極的に心身の回復を試みることは、現代の労働者にとって非常に重要な課題です。今回は、最近、産業・組織心理学で注目されている「余暇の過ごし方の創意工夫(レジャー・クラフティング)」についてお話したいと思います。
執筆:外山浩之氏(タンペレ大学社会科学科心理学部 研究員)
2019年03月01日
介護離職についての関心が高まっています。その背景には、団塊の世代が75歳以上になる2025年を控え、働き盛り世代の介護負担が益々増加し、仕事をしながら介護をしなければならない労働者が増加することが予想され、企業も対応が求められていることがあります。介護と仕事の両立が必要な労働者は、そうでない労働者と比較してストレスが高いと考えられますが、実際はどうなのでしょうか。また、職場はこの問題にどのように関われば良いのでしょうか。今回は、このような課題認識から介護離職について考えてみたいと思います。
執筆:江口尚氏(北里大学医学部公衆衛生学講師)
2019年02月01日
どんなにイキイキ働き、順調に生きている人にも、ある日突然、最悪な事態が襲ってくることがあります。大きな病気に見舞われたり、危機的な事件に遭遇したりするかもしれません。もしかすると、これまでそのような経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時、つらく悲しい気持ちになるのが当然ですよね。場合によってはうつ病になってしまってもおかしくはありません。ところが、同じように危機的な状況に陥っても、そこから何かを得て、うまく切り抜けられることがあるのです。この心的外傷後成長といわれる現象について今回はお伝えしたいと思います。
執筆:原雄二郎氏(株式会社Ds'sメンタルヘルス・ラボ)
2019年01月10日
和やかだったり、活動的だったり、慎重であったり……人に個性や性格があるように、組織にも「組織文化」という特性を表す考え方があります。今回は、この組織文化の視点から働く環境について考えてみます。組織文化とは何か、また日本の企業の組織文化の調査分析、そして組織文化の側面から求められるオフィス空間のポイントをご紹介します。
執筆:山田雄介氏(株式会社オカムラ フューチャーワークスタイル戦略部)
2018年12月10日
Persuasive System Design (PSD) という言葉をご存知でしょうか?おそらく、このコラムの読者の方は初めて聴かれた方が多いと思います。禁煙やダイエットなどの指導は、行動変容(Behavior Change)と呼ばれ、古くから,その手法について研究されています。前回ご紹介した、ウェアラブル機器の進展により、情報技術によって行動変容を支援するということも広まっており,そうした機器を情報薬(Digital Medicine)と呼ぶ人もいます[1]。このような背景のもと、そのようなシステムはどうデザインすべきかということを体系的にまとめたものがPSDやBCSSとなります。おそらく、読者の方を含め、今後、様々な企業が従業員の健康のために何らかの行動変容支援システムを導入する際に、そのシステムがきちんとデザインされているものか確認する手段の1つと成り得えるでしょう。
執筆:荒川豊氏(奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 准教授)
2018年11月01日
これまでの職場のメンタルヘルス対策では、どのような職場環境やどのような働き方が、メンタルヘルス不調やストレスの低減につながるのかを中心に検討されてきました。ところが、サービス業の台頭,情報技術の進歩など働く人たちを取り巻く環境の変化や働き方の変化が大きく変化するのにともない、メンタルヘルス対策においても、「いかに働くか」に注目した対策のほかに、「いかに休むか」に注目した対策も重要になってきました。つまり、一人ひとりが健康でいきいきと働くためには、職場内の要因に注目するだけでなく、職場外の要因にも注目することが必要になったのです。
今回のコラムでは、職場外の要因のうち、リカバリー経験(就業時のストレスから回復するための時間の過ごし方)に注目し、健康でいきいきと働くための方策について考えてみたいと思います。
執筆:島津明人氏(北里大学一般教育部 教授)
2018年10月04日
近年、「新しいアイデアを生み出すこと=クリエイティビティ」に注目が集まっています。そこで、本コラムでは、クリエイティビティを高める組織風土とはどのようなものかを紹介したいと思います。実は、ハーバード・ビジネス・スクールのAmabile教授が、そのような組織風土を測定する、KEYSと呼ばれる尺度を開発されています。それはどのようなものなのでしょうか、以下で見ていくことにしましょう。
執筆:稲水伸行氏(東京大学大学院経済学研究科 准教授)
2018年09月01日
皆様は平日の睡眠不足を週末に解消しようとしていませんか?休みの日くらいゆっくり休みたいですよね。それも当然と言えば、当然です。しかし最近、この「寝だめ」や「週末朝寝坊」に思わぬ悪影響があることが分かってきました。本コラムでは、近年話題になっている「社会的時差ぼけ」についてお話しいたします。
執筆:中田光紀氏(国際医療福祉大学赤坂心理・医療マネジメント学部 教授)
2018年08月01日
セルフ・モニタリングは、心理学の応用分野で注目されてきた方法で、パフォーマンスを上昇させたり、よい成績を収めたりするための手段の一つです。古くから、セルフ・モニタリングは、職場での生産性を向上させるための方法として利用されてきました。最近は、センシング(sensing)という人の何らかの行動について、センサーを利用して計測・判別する技術が向上したことから、センサーを用いたセルフ・モニタリングが急速に発展しています。本稿では、この古典的なセルフ・モニタリングと、センサーを用いたセルフ・モニタリングによるいきいき度を高めるための実践等を紹介したいと思います。
執筆:田山淳氏(長崎大学大学院教育学研究科教職実践専攻 准教授)
2018年07月02日
ビジネスの現場において、モチベーションの向上・維持はリーダーにとっての永遠の課題と言っても過言ではないでしょう。では、その仕事を、肝心のリーダー自身ではなく別の誰かに頼むことにすると一体どうなってしまうのでしょうか?本コラムでは、米企業から引っ張りだこの組織心理学者アダム・グラントが、この質問に答えるために行なった実証研究を紹介します。

執筆:大野正勝(南カリフォルニア大学・経済社会研究センター(CESR)博士研究員)
2018年06月01日
あなたは、何歳までお仕事を続けたいですか? 出来るなら明日にでも辞めたい人、ローンや老後のことを考え定年まで堅実に働きたい人、すこし早めにリタイアして余生をのんびり過ごしたいなど、希望は様々かと思います。 本コラムでは、キャリア後半のお話、高齢労働者の働く意欲についての研究をご紹介します。

執筆:櫻井研司氏(日本大学経済学部 准教授)
2018年05月01日
周囲の指導や支援をする行動であるメンタリングの重要性は、これまでもたびたび指摘されてきました。さらに近年では、メンタリングを行うことが、メンター本人のイキイキも高めるということもわかってきました。メンタリングは必ずしも新人の適応やイキイキだけを支えているわけではないようです。本稿では職場でメンタリングをうながすカギとして向社会的モチベーションや向社会的モチベーションを高める職務設計に注目します。

共著:
麓仁美氏(松山大学経営学部 准教授)
森永雄太氏(武蔵大学経済学部 教授)
2018年04月02日
今年も3月1日に就職活動がスタートしました。ここ数年は「売り手市場」と言われていますが、大学生から見ると就職を希望する企業の業種や待遇などもさることながら、つまるところ決め手の一つはその企業で「やりがい」を感じられるか、ではないでしょうか。

執筆:池田浩氏(九州大学大学院 人間環境学研究院 准教授)
2018年03月01日
これまでの研究では、いきいき(エンゲイジメント)した個人に注目が集まってきました。しかし、個人のいきいきした気分が組織内の他者に「伝染」し、職場全体が明るくなることも想定できます。今回は、チーム内の気分の波及効果の実験を取り上げ、チーム内の気分の相互関係について考えます。
執筆:種市康太郎氏(桜美林大学心理・教育学系 教授)
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