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2022年04月27日

2022年3月16日開催 定例セミナー「今、改めて健康いきいき“職場”づくりを考える ― 職場起点でのウェルビーイング実現への道筋―」サマリーをアップしました!

2022年3月16日(水)、定例セミナー「今、改めて健康いきいき“職場”づくりを考える ― 職場起点でのウェルビーイング実現への道筋―」を開催しました。本セミナーはオンラインで実施され、約30名の方々にご参加いただきました。
健康いきいき職場づくりフォーラムでは、設立10年の節目と社会情勢の大きな変化を受け、各界の有識者からなる「健康いきいき職場づくり“これから”検討会」を設置しました。本検討会での討議を通じて、企業経営のトレンドが変わりゆくなかでも普遍的な力を持つ「職場」の重要性が浮かび上がってきました。本セミナーでは、これからの時代における「職場」の役割や、経営や個々人のウェルビーイングとの関わりをテーマに据え、経営学および産業組織心理学の各専門家、健康経営推進者、労組委員長をお招きし、検討を深めました。

甲南大学経営学部 教授 北居 明 氏
「“ポジティブな逸脱”が組織を強くする」

冒頭、「健康いきいき職場づくり」の特徴として、①組織でも人でもない職場というメゾ・レベルへ着目していること、②単に「病気ではない」以上の状態を追求していることを挙げ、「“健康いきいき職場”は“適応的課題”(※)の要素が多く、トップダウン・原因探しでは解決できない」と問題提起いただきました。

※適応的課題:人間が介在し、相互に影響し合って構成されている
 技術的問題:機械の故障のように、原因と結果が明確に分かれる

その適応的課題の解決のために鍵となるのが「ポジティブな逸脱」とのことです。 「問題解決の際、問題の原因を探るのではなく、問題が起きていない箇所(ポジティブな逸脱)を探し、そこで行われている実践を広める」ことが、適応的課題の解決に役立つそうです。

「ポジティブな逸脱」は、「自分たちの中に“可能性”を見出すアプローチ」であるとし、「探求プロセスそのものが前向きな対話を促し、自分たちのなかで見つかった答えは実践しやすい」ことが強みであるとご解説いただきました。

九州大学大学院 人間環境学研究院 准教授 池田 浩 氏
「これからの職場マネジメントを考える」

冒頭、これからの“職場”はオフィスワークとテレワークで働く人が混在した「ハイブリット・ワーク」であるとし、「状況はより一層複雑化している」とお話いただきました。
そのうえで、テレワークにおけるマネジメントでは「管理者とスタッフとの物理的距離」が大きな課題になると整理いただきました。
従来のマネジメント(リーダーシップ)は、管理者(リーダー)とスタッフが対面していることが想定されていることに触れ、「今後はテレワーク環境であることを前提としたマネジメント」が求められるとし、「安心が底流する職場から、信頼に基づく職場づくり」が重要であるとご提言いただきました。

これからのマネジメントを表すキーワードとして、「セキュアベース・リーダーシップ」(※)をご紹介いただきました。

 ※セキュアベース・リーダーシップ
 守られているという感覚と安心感を与え、思いやりを示すと同時に、ものごとに挑み、冒険し、リスクをとり、挑戦を求める意欲とエネルギーの源となる人物、場所、あるいは目標や目的

リーダーが「セキュアベース」であることにより、フォロワーは「プラスの面にフォーカスをして、リスクを取って行動できる」ようになるとご解説いただきました。

株式会社富士通ゼネラル
サステナビリティ推進本部 健康経営推進部長 佐藤 光弘 氏
「健康経営推進において職場が果たす役割」

はじめに、富士通ゼネラル社における健康経営の取り組みの経緯についてご紹介いただきました。
2016年の人事制度改革の検討のなかで、「働き方の意識改革・健康の意識改革が必須」であるとの認識をきっかけに、2017年に富士通ゼネラルグループ健康宣言を行い、健康経営の取り組みがスタートしたとのことです。

健康経営の取り組みのなかでは、「職場を見える化する」ことが重要であるとし、富士通ゼネラル社では、①全社員健康面談の実施(健診結果に関わらず、全員を終業時間中に順番に呼び出し、健康を語ることが自然で当たり前の風土を作る)、②ストレスチェックの組織評価の活用を行っているとご紹介いただきました。

コロナ禍における健康経営の取り組みとしては、「スマイルプロジェクト」と題し、セルフケアをテーマとしたグループディスカッションを中心としたオンライン研修を行っているとのことです。全国の拠点をつなぎ配信することで、セルフケアを身に付けるだけでなく、コミュニケーションの場を提供する目的があるそうです。

今後は「健康経営を社員の“Well-being”実現まで進化させていくことを目指し、取り組みを進めていきたい」とお話いただきました。

富士フイルムビジネスイノベーション労働組合 中央執行委員長 宮原 隆治 氏
「人と組織の持続的な成長を実現する職場づくりに向けて」

富士フイルムビジネスイノベーション労働組合では、この時代において雇用を守るために、さまざまな取り組みを行っているとご紹介いただきました。
具体的には、①どこでも活躍できる人材づくり(能力開発等)、②人が育つ職場づくり(対話活動等)、③持続的な会社の成長を支える組織・風土づくり(交流会等)の3つを中心に取り組んでいるとのことです。

特に、現在、②人が育つ職場づくりに力を入れて活動しており、(1)組織診断サーベイ(定量データ活用)、(2)職場集会の見直し(対話活動推進体制強化)の取り組みを行っているとのことです。
対話を進めていくなかでは、「“提言”ではなく“提案”として、一緒に職場を作る当事者としての姿勢」を重要視したそうです。

今後は、「“職場づくり”への組合員の参画をさらに高め、“対話の質”にさらに磨きをかけられるよう取り組みを進めていきたい」とお話いただきました。


後半では、いただいたご質問をもとにさまざまな側面からパネルディスカッションを行いました。
最後に、事務局より各種イベントについてご案内し、盛況のうちに閉会しました。 


近日開催予定のイベント

定例セミナー「ウェルビーイングと健康いきいき職場づくり― ウェルビーイング実現への道筋と課題を考える ―
無料セミナー「ジョブ・クラフティング力向上プログラム紹介セミナー

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