「良質な健康経営を実現する:施策の『強い』実践とそのポイント」
森永 雄太 氏 (上智大学経済学部経営学科 教授)
良質な健康経営の実現するための3つのポイントについて、ウェルビーイング経営の視点から解説いただきました。1.健康を起点としたボトムアップによってウェルビーイング(総合的な幸福度)の地盤沈下が起こらないようにする、2.施策を絡めた「強い」実践で従業員に投資を行う、3.施策間や異なる専門家が連携するために弁別性・一貫性・合意性を意識することを踏まえて人事施策を行っていくことが重要であるとお話しいただきました。
「コラボヘルスで進める『健康経営』 」
鈴田 朗 氏(コニカミノルタ健康保険組合 常務理事)
伊東 和志 氏(コニカミノルタ株式会社 人事部健康推進グループリーダー(部長))
「健康経営」への取り組みの契機と「健康経営」のアクションについてご講演いただきました。会社側の課題であった従業員の健康リスクの増加と健保側の課題であった財政状況の悪化、それぞれの課題の解決策として「従業員の健康度向上」という共通目標に協力して取り組むことが一体運営(コラボヘルス)の契機になったとお話しいただきました。
また、コラボヘルスの推進のためには会社と健保の双方の強みを活かし、現場の従業員のニーズにマッチした施策展開が大切であるとご提言いただき、各拠点での主な活動についてもご紹介いただきました。
「健保を機軸としたグループ一体的な健康経営推進」
横村 博之 氏 (大東建託健康保険組合 常務理事)
健康経営の機軸を健保が担うことで、事業主の規模にかかわらず健康経営推進のラインを合わせることが出来るとし、健保側が基盤を提供することで事業主側の負担を減らしそれぞれの事業所に合わせた健康施策の実施も可能になるとお話しいただきました。
また、大東建託グループではグループ内全社で「健康経営優良法人」の認定取得を実現しており、コラボヘルス(グループ一体的な健康経営の推進)の例として健保側と事業主側の強みを活かした役割分担についてもご紹介いただきました。
「総合健康保険組合におけるコラボヘルス」
遠藤 スミレ 氏(東京都家具健康保険組合 健康管理部健康管理課 課長)
家具健保の加入事業所の60%が10人以下であるという現状、中小規模の事業所を多く抱える総合健保のコラボヘルスの課題についてお話しいただきました。
事業所ごとに健康経営に対する意識は様々で、コラボヘルスの実現には取り組み動機やどの程度組織からのバックアップが得られるかなどを含め担当者の熱意が重要、対面での関係性の構築も企業と健保の連携には必要であるとご提言いただきました。
その後、グループでの意見交換・質疑応答・ディスカッションを行い、さまざまな側面から議論がなされました。
最後に事務局より、各種イベントについてご案内し、盛況のうちに閉会しました。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。