3月3日(月)、2013年度最後の定例セミナーを開催いたしました。今回は、「メンタル×フィジカル」をテーマの柱とし、実際に経営視点で社員の健康増進に取り組んでいる2社(株式会社フジクラ様と株式会社資生堂様)よりお話をいただきました。
会の冒頭には、東京大学大学院・川上憲人教授よりわが国の職場のメンタルヘルスの課題とその改善に向けたポジティブ心理学の位置づけ、健康いきいき職場づくりが経営に効果をもたらすための方法論などについてお話がありました。
㈱フジクラ様は、経営トップの思いやそれを具現化した「健康経営宣言」の下、健康経営に取り組んでいます。「企業経営や事業活動上の高位課題との整合と関係性の見える化」、「費用対効果(投資回収)の定量化と見える化」は全社を挙げて健康経営に取り組むためには不可欠な点であり、今後も継続する課題とのこと。具体的な取り組みとして、散在した健康データの一元管理からリスク者を層化し対応を進める、健康いきいきワークショップを展開しながら職場の活力を生み出そうとしている、など「予防」に向けた取り組みが次第に効果を上げてきています。
㈱資生堂様は、「健康宣言」「健康管理基本方針」の下、4つの健康テーマ(女性のための健康支援、喫煙対策、メンタルヘルスケア対策、生活習慣病対策)を掲げて、健康経営に取り組んでいます。全社的な推進のためには、健康管理を「経営戦略」として位置付けること、ビジョンを描ききること、変革実行者が「熱い想い」を持つことが重要であるとのこと。代表的な取り組みとして、コンプライアンス徹底と検診事後措置の強化、女性の健康支援を掲げ、日々の従業員の労働状況が法に則っているか、健診後のフォローアップができているかを検証したり、大きな戦力である女性が健康で働くために女性の健康セミナーを開催するなどの取り組みを行い、相応の効果が上がっています。
両社に共通しているのは、健康経営の方向性が従業員の皆さんに明示され、従業員を巻き込んだ取り組みになっていること。それぞれに課題を抱えられて取り組みは継続しますが、両社の取り組みに今後も注目です。