行動計画は、長期目標、短期目標を掲げ、それを前提に具体的何をするかという実施計画を策定するものです。また、どのような状態を目指すかの評価計画も検討します。ここで、いくつかの組織の行動計画を、健康いきいき職場づくりとは何をすべきかのポイントと共に、少しだけご紹介いたします。
ある組織は、健康いきいき職場づくりを全社活動として取り組み、いきいきと明るい職場を実現し、またそれが経営活動の資源として定着させる、ということを長期目標としていました。そのためにまず、経営会議で審議し、承認をもらうことを実行計画の最初に挙げられました。こうしたトップからの承認を目指しながら、もう一つの重要な実行計画として、職場単位での社員参加のワークショップ展開により、実態を変えていくことが策定されています。健康いきいき職場づくりは、職場単位の地道な活動でありながら、それがいかに経営目標とつながっているかを常に意識しながら取り組む必要がある活動でもあります。
また、別の組織では、既に社内にある「魅力ある職場の構築」という長期目標と、健康いきいき職場づくりの活動をつなげ、ES(従業員満足度調査)や、そこで見えた課題に対する職層のフォロー、ノー残業デーの実施などを行動計画に挙げられました。このように、健康いきいき職場づくりは、何かこれまでになかった新しいものを企画・実施するという取り組みだけではなく、これまであるものに、健康いきいき職場という新しい意味を加えて、より迅速に実行に移すことができる活動です。同時に、従来の施策の意味を深め、効果的な実践を行うことにもつながります。
組織変革や人事制度改革などの活動はよく、大企業で資源が充実しているからできる活動と思われることもありますが、健康いきいき職場づくりは企業規模や業種・業態に関わらず取り組める活動です。ある組織からの発表は、支社レベルで意欲的な職場では、職場環境改善の活動への素地づくりが既に進んでおり、活動が具体化しているが、本社レベルになると利害関係者が多く、意思決定が困難である、という悩みも同時にお持ちでした。健康いきいき職場づくりは職場の社員一人ひとりを巻き込んだ活動になります。その意味では、組織の大小に関わらず、組織に必ずある「職場」という単位の自主性、自立性を求める活動です。
さていよいよ、各組織の実践の段階に移ります。そこにどのような困難があるのか、また逆に予期せぬ効果が見られるのか、まだわかりません。
次回、第6回は年を越えて、来年2月27日(木)です。メンバーの皆さんの、実践に対する悩みや工夫を共有し合う場となります。