1日目は、第3期の皆さんの最終回として、1年間の活動報告をいただきました。第3期のメンバー4組織からプレゼンテーションいただきましたが、1年という長いようで短い期間の中、各社様、熱い、厚い内容のプレゼンでした。例えば、この研究会参加をきっかけに、部門長から「メンタルヘルス指針」を初めて宣言してもらったという事例、労使参加の委員会を立ち上げ活発に活動している事例、関係セクション間の連携を取る(同じ方向を見る)ことに成功した事例などが報告されました。
第3期の皆さんは、お互いに良い点を学び合い、真似をし合うことがとてもうまくできており、他社で実施していた仕組みをそのまま自社に持って来て試行している、などの話が多く聞かれました。研究会というクローズドな場という安心感の中で、情報を公開し合えるからこそできることでもあり、また参加者の皆さんの学びの意欲の表れではないかと思います。
第3期メンバーからの発表風景
第4期の皆さんは、第3期の皆さんとの発表を聞かれて、「1年でこれほどのことができるのか?」と不安の声も聴かれましたが、第3期の皆さんも、1年前には同じことを考えていたそうです。東京大学大学院准教授の島津先生からも、「安心してください!」とのお言葉をいただきました。1社でだけ進めるのではなく、同じ期のメンバー、またこれまでの第1期~第3期までのメンバーという貴重なサポーターがいます。ぜひ、皆さんと一緒に考えて行ければと思っております。
この後、第4期のメンバーから、この1年の目標設定について発表がありました。特にお声として聞かれたのは、「健康いきいき職場づくりについて経営者の理解を得られていること」、「社内外にネットワークを築いていること」、「(個人としての)知識やスキルを向上させていること」などです。1年後におそらく同じ場面で、1年間の成果の振り返りを次の期のメンバーにお話しいただくことになると思います。その時にどのような変化が起きているか、今から楽しみです。
1日目は午後いっぱい発表をいただき、その後は楽しい夕食懇親会です。今回は女性の方も多く、華やかな雰囲気で、皆さんお酒をお楽しみいただけたのではないでしょうか。
夕食懇親会の様子
Active Work Place研究会2日目は、第4期のメンバーのみとなり、いよいよ各論に入り始めます。講義とワークを織り交ぜたプログラムで、ワーク・エンゲイジメントを起点にした個人と組織の活性化について、島津先生からご講義いただきました。ワーク・エンゲイジメントを伸ばす方法はいくつかありますが、中でも「ジョブ・クラフティング」という考え方について教えていただきました。ジョブ・クラフティングとは、自分の仕事を自分で面白く工夫してやってみよう、という考え方です。一見単純そうに見える仕事にも、やり方次第で面白さ、やりがいがみつかるのです。そうした仕事の仕方を身に付けることが、ワーク・エンゲイジメントを向上させることにつながるのではないでしょうか。
島津先生講義風景
また、東京大学で特任研究員をされている関屋裕希先生をお招きして、HSE(英国健康安全局)が開発した、「部下のストレスを予防し軽減する」マネジメントコンピテンシーについて教えていただきました。これを研修として展開する際には、管理職向けにコンピテンシーをチェックリスト化したものを利用して自分のマネジメント力を測ると同時に、同じ管理職同士でお互いの強みについて話し合ことで、まずは管理職の皆さんの日常のマネジメント行動を知り合う良い機会となる研修です。健康いきいき職場づくりを、現場の管理職の方々に理解していただくのに恰好の研修プログラムとなるでしょう。
午後は、島津先生より健康いきいき職場づくりの考え方を軸にストレスチェックを活用する方法をご講義いただきました。グループワークでは、各社に既にある「仕事の資源」のリストアップを行い、各社の資源を共有いただきながら、自社でも使えそうな「資源」を検討しました。今期メンバーからは、「コミュニケーション」に関する資源が多く挙げられたのが特徴的です(社内イベント、部署間のつながりを強化する活動、ほめる活動など)。こうして羅列してみると、実は新しいことを始めるのではなく、すでにある資源を用いて、そのやり方に工夫を加えるなどして活用できることが多くあるようです。
グループワークの様子
全体討議の様子
次回までの課題として、リストアップされた資源から、各社が取り組みたいと考える内容を整理していただくことになりました。こうしたステップで、健康いきいき職場づくりの「行動計画」の中身(ネタ)を増やしていただけると良いですね。
さて、次回は上記リストの整理に加え、各社で取り組む職場(社員)アセスメントの内容紹介が実践課題(宿題)となっています。次回は2カ月後の開催となり、各社で今年度のストレスチェック実施も進んでいることから、そのご報告と重なるかもしれません。次回も楽しみにしております!
第4期メンバーの皆さんです。