ニュース

2014年09月06日

Active Work Place研究会第3回開催しました!

8月29日に、約2か月半ぶりのActive Work Place研究会を開催しました。今回は、1日間の研究会でしたが、実践課題の発表と続く講義、ワークショップ等盛りだくさんの内容となりました。

今回までの実践課題は2点ありました。1点目は、「組織アセスメント」です。各社で把握されている各種情報源(社員調査結果や休職率等のデータ類)から、組織の状況を解説していただくものです。2点目は、「いきいき資源の強みと弱みチェック」です。これは、第2回研究会でメンバーの皆さんで作成した、組織の「いきいき資源」一覧により、各社の施策状況や現況での強み、弱みを分析し、今後の実践計画づくりに活用していただくものです。

「組織アセスメント」の発表により見えてきたのは、そのアセスメントで示される「平均」や「偏差値」より上か下か、だけを見て対策を打つのではなく、その組織の特徴や方向性(どのような組織になりたいのか)を踏まえて活用する必要がある、という点です。つまり、平均より上だから良い、下だから悪い、という「決めつけ」をして活用することは組織の実態に合わない可能性があるのです。ある会社の報告では、そのアセスメントが目指す方向(良い組織とされるモデル)と自組織が目指したい方向性との乖離があることが判明し、アセスメントの活用方法が難しいという事例が報告されました。また別の会社からは、社員全体の「満足度」は高いものの(これで経営層は満足しますが)、組織の方向性として求めたい「エンゲージメント」の要因となる尺度は低いという、組織内の隠れた問題が垣間見える結果も紹介されました。

健康いきいき職場づくりでは、どのようなアセスメント、指標を使って評価いただいてもOKですが、それを用いて継続的かつ客観的に組織を診断し、目指す方向性に向かうための施策を打てるよう、活用していただくことが重要であることが再認識されました。

 

「いきいき資源の強みと弱みチェック」の報告では、参加各社がそれぞれ、うまく実施できていること、できていないが今後取り組みたいことについて、報告をアドバイス共有がなされました。多くの報告であったのが、やってはいるがうまく機能していない、実施において職場によって温度差がある、といったものでした。現場や関連部署、また経営層をどのようにやる気にさせて巻き込んでいくかは、健康いきいき職場づくりを推進する上での大きな課題となるでしょう。この点については、次回第4回で議論の時間を設けたいと思います。

 

 

後半の講義では、東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野で特任研究員をなさっている関屋裕希さんをお招きし、「HSEマネジメントコンピテンシーリストを用いた管理監督者教育研修の進め方」についてお話いただきました。HSEとは、英国健康安全局のことで、日本の厚生労働省のような組織です。ここが、部下のストレスを予防したり軽減したりする管理監督者のマネジメントコンピテンシーを開発し、一般に提供しています。これを日本版にしたものを用いて、新しく、健康いきいき職場づくりの視点を持ったラインケア教育が展開できるかもしれません。

 

講義では、英国版および日本版の開発について学んだあと、実際にメンバーで調査票に回答し、その後の管理監督者向け研修を体験しました。この教育を実施する意味として大きく2点あると思われます。

1点目は、上司の行動が、健康いきいき職場づくりでいう「職場の資源」の充実に大きく影響しているという点です。つまり、上司が望ましい行動をとれば、職場の資源(の一部)が上がると言えます。併せて、健康いきいき職場づくりは、職場の従業員が主体となって自ら職場を良いものにするためのアクションプランを実践することが重要ですが、これをするためにはその職場の上司が最低限理解を示し、活動を支援することが欠かせません。そのため、こうした管理監督者教育をセットで実施することが、職場づくり成功の秘訣となるでしょう。

もう1点の効果として、こうした研修の場自体が、管理監督者のいきいき度を上げることにつながる点です。メンバーの中で、すでに管理職向けに同様の研修を実施された会社があり、お話を伺うと、研修の中で管理職が自分のマネジメントスタイルの「良い点」について話し合うため、とても場が盛り上がり、会話が広がるそうです。管理監督者に身を以って、こうした取組の良さを感じてもらえれば、現場主体の職場づくりの取組が進んで行くのではないでしょうか。

 

続くワークショップ体験では、デモケースを用いて、「健康いきいき職場づくりワークショップ」をメンバー全員が参加者となり、体験しました。すでに職場環境改善の取組を職場で実施しているメンバーも多く、実践における工夫も情報交換される中での体験となりました。さすが、健康いきいき職場づくりへも理解が深く、職場の改善事例も多く持つメンバーの皆さん、建設的な議論が進みました。そして自然発生的に、書記役が一人ではなく、メンバーが交代で担当するなど、「全員が参加する工夫」もなされていました。

健康いきいき職場づくりでは、この「従業員参加型ワークショップ」の実施が具体的な方策の一つとなります。様々なメンバーがいる職場で、メンバー自身が主体的に(しらけず)これを実施していくのは、想像以上に困難が伴います。健康いきいき職場づくりフォーラムでは、この手法をなるべく標準化し、各社が取り組めるよう提供していく予定です。

 

さて、次回第4回はもうすぐ、922日(月)の開催です。次回も、実践課題の発表と各種ワークで健康いきいき職場づくりへの理解を深めて行けることを、楽しみにしております。

会員ログイン

ユーザー
パスワード
ログイン

会員制度とご入会

ご入会に関するご質問

個人情報保護方針

メールマガジン登録