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2018年09月13日

第6期Active Work Place研究会:第1回を開催いたしました!

9月7日(金)に第6期:Active Work Place研究会がスタートいたしました。昨今、これまで以上に健康経営・働き方改革が社会的に認知され、各企業の取り組みも活発になっています。本研究会ではこれらの取り組みを『職場の資源』と結び付け、経営戦略として施策立案・展開していくことを目指します。初回は川上先生、島津先生によるご講演と、各企業の課題意識・現状の共有をいたしました。
今期はアイシンAW様、大日本印刷様、ナカニシ様、ニチレイ様、西日本旅客鉄道様の計5社から構成されています。
 今回はテーマを『ひとりひとりがイノベーティブで、いきいき働ける条件とは』と題し、本研究会の考え方や理論、目的の理解を図りました。今期で6回目となる本研究会ですが、これまで各企業で展開されてきた取り組みは、その業容・規模、課題意識などに応じて実に様々です。多岐にわたる取り組みの基礎ともいえる部分が、職場の一体感や助け合い、働き甲斐といった『職場の社会的・心理的資源』です。健康いきいき職場づくりフォーラムならびに本研究会ではこれら『職場の資源』に着目して、各職場の資源を見つけ、育て、活かしながら施策を展開してまいります。


 冒頭に東京大学大学院の川上先生より『健康いきいき職場づくりとは』と題した講義をいただきました。川上先生からは、

・健康いきいき職場づくりを経営として推進すること

・労働者の心の問題に健康管理以外の領域(ノンヘルスセクター)からアプローチすること

・新職業性ストレス簡易調査票(80項目)を活用したアクションプランの策定方法

…といった本研究会で施策展開するうえで基礎ともいえる部分を説明いただきました。



■東京大学大学院 川上憲人教授


 講義では各参加企業と積極的に意見交換し、各社の状況や今後の意向を確かめながら説明されていた点が印象的でした。今期の参加者のなかには人事・経営企画といった『ノンヘルスセクター』に属する方も多く、参考になった点も多いのではないかと思います。

 また後にご講演いただいた島津先生の専門でもある『ワーク・エンゲイジメント』に関しても講演で述べられました。ストレスチェックにおいてワーク・エンゲイジメントの測定が可能な「新職業性ストレス簡易調査票(80項目)」を実施することにより、よりポジティブなアクションプランの策定ができるようになること、また会社によってはストレスチェックの名称を『いきいき職場づくり調査』などとより前向きなフレーズに変えている例などを紹介いただきました。


■川上先生から健康いきいき職場づくりの考え方を講義いただきました



 続いて、参加者同士の自己紹介も兼ねて事前に作成いただいた事前課題の発表を行いました。事前課題のテーマは大きく4つあり、「研究会に参加した理由」「人づくり、組織づくりの現状」「社内の健康推進体制」「会社・オフィスの雰囲気、様子の紹介」をお願いしておりました。今回は本社が東京の企業が2社、大阪・愛知・栃木がそれぞれ1社、また業種をみても製造業から物流、交通インフラとこれまで以上に多種多様な企業様に参加いただいております。日頃あまり知ることのない他社の健康推進体制や抱える課題について議論を交えながら理解を深めました。時には「そこのところ、実際はどうなの?」「もしかしてこの辺りが困っていない?」「うちも同じ課題を抱えている!」といったクローズな研究会ならではの本音の意見・質問も飛び交い、初回でありながら各社の距離感がグッと縮まったように思います。



 自己紹介、課題発表ののちは北里大学一般教育部の島津先生より『ワーク・エンゲイジメントと組織、個人の活性化』と題した講義をいただきました。冒頭、川上先生の講義でも触れられましたが、「ワーク・エンゲイジメント」とは『仕事に誇りを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得て活き活きしている状態』を表す働く人の心の健康に関する新しい考え方です。いわゆるワーカホリズムやバーンアウトの対となる状態で、生活への満足感や仕事のパフォーマンスに良い影響があるほか、欧州の調査では国民総生産とも相関があることが判っています。


■北里大学一般教育部 島津明人教授

 また島津先生からはワーク・エンゲイジメントを高める手法の一つとして『ジョブ・クラフティング』の紹介をいただきました。ジョブ・クラフティングとは仕事(Job)の技巧(craft)、つまり匠の技とも訳され、仕事の進め方や捉え方、人間関係を変えることにより目の前の仕事をやりがいのあるものに変化させる手法です。身近な例としてはディズニーランドのキャストがほうきでミッキーの絵を描くことでゲストの満足度を高め、感謝をされることによりキャストとゲストの人間関係に変化が起こり、ゆえにキャストのやりがいが高まることが挙げられます。

 そのほか、島津先生からは余暇・リカバリーとアウトカムの相関やワークライフバランスに関する実証実験の結果など、仕事外の要因に着目した取り組みについても説明いただきました。


■講師との距離が近く、状況や理解度にあわせて講義を進める点が当研究会の特徴です。


 約5時間にわたる本編のあとは、近隣のレストランにて先生方も交えて懇親会を催しました。懇親会が始まるまでにすでに打ち解けられ、和気あいあいとした雰囲気で初回が終了しました。

 各回を通じて1年間密な時間を過ごすことにより、相互に切磋琢磨していける点が本研究会の特徴です。これから皆様がどのように施策を立案・展開され、現場の方々の幸せにつながっていくか、非常に楽しみです。長丁場となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

      
■今期ご参加いただいた皆様。真剣な眼差しで話を聴いておられました。



次回105日は『経営視点から、組織単位としての職場を考える』と題して学習院大学経済学部の守島先生による講義と第5期(前期)参加企業の事例紹介、経験交流を行います。

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