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「健康いきいき職場づくりフォーラム 成果発表シンポジウム2015」サマリーなどupしました!

- 2015/12/18
2015年12月14日、「健康いきいき職場づくりフォーラム」成果発表シンポジウムが、東京大学内伊藤謝恩ホールで開催され、企業組織の人事担当者・健康管理担当者、労働組合役員、EAP、コンサルティングファームなど、約210名(関係者含まず)のご参加をいただきました。


今回は、設立から数えて4回目のシンポジウムとなり、テーマとして「『健康いきいき職場づくり』のさらなる普及に向けて」を掲げ、「健康経営」「ストレスチェック義務化」など、現下のトピックをいかに「いきいき」に結び付けていくかについて、労使官学それぞれの立場からの問題提起を行いました。

冒頭に、東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野教授の川上憲人氏より、「『健康いきいき職場づくり』のさらなる普及に向けて」として、問題提起をいただきました。川上氏によると、2012年のフォーラム発足以降、各種セミナー、研究会をはじめ、昨年発足した「健康いきいき職場認証制度」や「健康いきいき職場づくりガイダンス」、日本最初の「健康いきいき職場づくり」の教科書の出版など、環境の整備は進んだものの、現在の状況を活用することで、さらなる普及の可能性があるとのことでした。

具体的には、まず「健康経営との連携」があります。「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する」健康経営は、「経営」「組織要因へのアプローチ」を重視するWHO(世界保健機関)の健康職場モデルに通じるものがあり、これを推進する企業で休職者の減少や働き方変革がなされたケースも出てきていると川上氏は述べます。次に、「ストレスチェック制度の有効活用」があります。改正労働安全衛生法施行に伴い、50名以上の事業所では年1回以上のストレスチェックが義務化されるが、ここにポジティブな質問項目や結果の発信、職場環境改善活動との関連付けなどを行うことで、より一次予防に注力することも可能であるとされます。また、「経営戦略との関連付け」も大切となります。実際に、職場活性化を推進している企業において、離職率の低下や収益の向上などの好事例も増えている点からも、その重要性は明らかといえます。さらに、「健康いきいき職場づくりへの人材養成」の観点も取り入れることで、「健康いきいき職場づくり」をさらに高いステージに進めることができると川上氏はまとめました。

次に、基調講演として、ロート製薬株式会社 広報・CSV推進部部長の河﨑保徳氏より、「ロート製薬における健康経営の実現に向けた戦略」と題して講演いただきました。同社は、2014年度に「健康経営銘柄」に選定されるなど、健康経営に積極的に取り組んでいることで知られています。河﨑氏は、同社の取組の特徴として、「健康」を上位概念に置いた経営方針を明確にし、ロートを社員だけでなく社会全体の健康を支える企業に進化させる点、そのためにChief HealthOfficer(最高健康責任者)を他社に先駆けて設置している点にあるとしています。

具体的には、製薬事業で培った技術力を、「健康寿命」を伸ばす各種ビジネスに連携させること、そのために治療から予防に切り替えることを促進するために、「健康」をキーワードに異業種や官・学・地域と連携することを行っているそうです。その前提として、健康で活力があり、ストレスに強い社員や職場を築く必要があるということで、社内的には「ARK(明日のロートを考える)健康プロジェクト」を通じ、健康マインドを持った社員の育成を目指すべく、「スマートキャンプ」「健康100日プロジェクト」をはじめとする、社員提案による「楽しい」「飽きさせない」各種プロジェクトを発足させています。これらの社員参加型の取り組みを通じ「働くこと」が「健康になること」につながるような働きかけを行っているそうです。

続いて、「ストレスチェックを起点とした健康いきいき職場づくり」と題し、官(厚生労働省労働衛生課課長・武田康久氏)、労(富士ゼロックス労働組合中央執行委員長 志満光史氏)、産(積水化学工業株式会社人事部厚生・健康支援グループ長 先山浩司氏)それぞれの立場から講演をいただき、その後、学(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野准教授 島津明人氏)によるコーディネートに基づくパネル討議が行われました。

まず、武田氏からはストレスチェック制度導入の背景と制度のねらいを講演いただきました。同制度導入の背景には、職場におけるストレスの上昇やそれによる休職・退職、労災、自殺者の増加に歯止めをかけるべく、ストレスチェック制度が発足したとしています。制度の狙いとしては、個人・組織への気づきの促しと職場改善、それらを通じた労働生産性向上などの経営上のプラス効果を想定しており、そのためにも、まずは制度の趣旨を理解して実施することを望みたいとして話を結ばれました。

次に、志満氏からは、「人を育て、組織を育てる」と題し、同労組の試みを紹介いただきました。同労組の取り組みの前提として、社内外を取り巻く環境変化への対応のために施策を実施するということがあり、会社(オールFX)の発展を通して豊かな生活・ライフプランの実現をはかる、そのために「人を大切にする」「会社を発展させる」ことを基軸に置いているといいます。そして、それを具現化すべく「活力あふれる職場創り」「成長を実現できる環境創り」「オールFXの仲間との価値創り」を活動方針に掲げ、対話やコミュニケーション増進、「現場力チェックシート」の活用、支部やグループ各社への働きかけを行っているそうです。

最後に、先山氏からは「積水化学グループの多様な人材の活躍推進について」と題し同社グループの取り組みを紹介いただきました。同社では「CSR経営」を掲げ、その一環として「人材での際立ち」を達成すべく、「自ら手を挙げ挑戦する場」「学び、自ら挑戦する風土」「成長とコミットメント」、そして「多様な人材が活躍する働きがいのある職場」を目指しています。そして、その一環として「こころのケア」「からだのケア」を会社としてサポートします。具体的には、サポートセンターの設立、マインドナビの導入、ストレスチェックの導入を行っています。現在は、人事部厚生健康支援センターやサポートセンターによるグループや重点フォロー層への支援を強化しつつ、さらなる取り組みの充実を図るということでした。

続いて、登壇いただいた3氏の話を深掘りすべく、東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野准教授の島津明人氏のコーディネートの下、「ストレスチェックを起点とした健康いきいき職場づくり」と題してディスカッションが行われました。その中では、「制度の趣旨理解のためにどうするか」については、「何を」「どう」やるかだけではなく、「なぜ」ストレスチェックをやるのかをしっかり考えることが重要(武田氏)、「活力あふれる職場づくり」に向けての具体的な取り組みとしては、職場におけるコミュニケーションや対話、教育を促進する「いきいきチェックシート」を活用している(志満氏)、「健康経営の中のストレスチェックの位置づけ」については、まだオーソライズされていないので、それをこれからの活動を通じ明確にしていく(先山氏)などが提示されました。また、中小事業所も含め、具体的にストレスチェックを機能させるための工夫として、「グループ全体で」の演出、「組織診断をしっかり行い、フィードバックもしていく」、衛生委員会などで、立場を超えた信頼感を醸成する、具体的な事例を積み重ねるなど、様々な要素が挙げられました。


本シンポジウムの後半では、昨年度に続き実施された、「健康いきいき職場認証制度 スターター認証制度」の認定証授与式を執り行った。今年度は3組織の認証を行いました。
 
各組織の認証の際の評価ポイント、記念スピーチ資料などは以下よりご参照ください。

2015年度認証組織のご案内はこちらから


その後、事務局より15年活動報告、16年活動計画が案内され、フォーラムとして各種コンテンツの充実を図る旨が説明され、本シンポジウムは盛会のうちに終了しました。
また、終了後には、講師陣と参加者による懇親会が開かれ、多くの話題が提供され、盛り上がりを見せました。

成果発表シンポジウム2015のうち、問題提起(東京大学 川上憲人教授)については、以下よりダウンロードいただけます。
ダウンロードはこちらから

 

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